『慈覚大師円仁』天台宗務庁監修、作;成島行雄、画蛭田充、 下野新聞社1994
天台座主三代、慈覚大師円任の生涯を説いた漫画です。比叡山にもそして社会にも大変な功績を残した僧侶ですが、意外と知られていない大僧の一人です。比叡山は傑出した僧が多すぎて、開祖でないことがなかなか日の目を見ることができない原因もあると思います。
出家以前から日蓮聖人の信仰をしている私にとって、円仁は比叡山を汚した悪僧の人ととして日蓮教学では説かれるため知ってはいましたが、天台僧になって慈覚大師様の信仰を深く学ぶにつれ、素晴らしい大僧であることを知りました。たとえ絶対の信心をする日蓮聖人の言葉であっても、当時の教学や政治・文化などの時代背景をしっかり理解して学ばないといけないと感じたものです。
この漫画本は慈覚大師の知識のまったくない人には、テキスト以上に一番の参考書になるのではないかと思います。合掌