弘法大師の袈裟
護国寺参拝で思い出しましたが、金剛座寺には、なんと弘法大師空海上人の法衣の一片があります(笑)
東京で出家したての頃、夢に空海上人が出てきたことがありました。
もともと日蓮信仰をしていた私は、弘法大師様はあまり興味がなかったのですが、天台宗で出家してから密教を真剣に学ぶ中で、「空海上人はやはり天才だ」と感じていた頃でした。密教の勉強をしていたので弘法大師様を見たのでしょうが、「なぜ日蓮聖人ではないのか」と笑った記憶があります。
夢を見てから数日後に知り合いの方から、江戸で大きな武家末の方が、家の解体引っ越しで、家に伝わっていたお寺から頂いた「空海上人の衣」といわれるものを、もういらないということでもらったので、僧侶の君にあげる、ということでもらったものです。弘法大師様の夢を見ていたので「あの夢はこのことか」と正夢として捉えました。
つつまれた風呂敷の中には、小さな如法衣という袈裟一つと、紙に包まれた、小さな黄土色の切れ端の生地でした。如法衣には「○○院殿(今失念)」とのコヨリがまかれていました。そして小さな生地辺には「空海上人」と書かれていました。その内容から、江戸時代によく流行った、お祖師の文物が伝わる大きなお寺で、祖師の衣などを細かく分けて有力な檀信徒にお分けした一つではないかと考えました。如法衣の○○院はそのお寺の僧侶有縁のものか。有力な武家の檀信徒であったので如法衣を頂いたのではないかと推理しました。もちろん衣の分析はしていないので、衣自体が後世の弘法大師袈裟の偽物の可能性もありますが、とりあえずは寺から頂いたものとして保管していたものであることは事実のようです。
本物であればすごいものですから、一時は寺の復興費用にあてようと、真言宗の方に売ろうかと100万円でヤフオクに出してみたのですが、当然本物かどうかもわかりませんから落札されるはずはありません。本物であれば、その生地にオーラ・気を感じ取る真言僧もいるのではないかと思ってみたのですが(笑)
今もずーっと保管しております。現在は境内地に弘法大師堂でも建立しそのご神体として祀ろうかなとも思っております。(天台宗ですが天台寺院でも空海信仰から弘法大師も祀っているお寺は結構ありますので。)
さてこの記事を書いていて、護国寺参拝の時、建立者は家光の側室の桂昌院と教えてもらったこと思い出し、「あれ?如法衣の○○院って「ケイショウイン」じゃなかったっけ」と記憶を思い出しました。もしそううだとしたら20年来の大発見。そしてまさにお宝です(笑)。お寺に帰ったら確認します。合掌