金剛禅総本山少林寺東京別院で少林寺拳法の講習会に行ってきました。少林寺拳法は武道の一つとして見られますが、実は宗教の行としての位置づけになっています。開祖の宗 道臣(そう どうしん)師は、敗戦後の荒廃した人心を、中国等で学んだ拳法を活用して、立て直そうとされて作られた新宗教の団体です。心だけにとらえがちな宗教に対して、体も鍛えなければ、心は育成しないと、心身不二の立場から少林寺拳法の啓蒙をされています。
高校時代からプロレス好きと共に空手・柔道と武道に目覚めましたが、武道は心を鍛えますが、必ずしも心の正義心を鍛えるわけではありません。高段者など強い武道者の人格性やニュースで犯罪を聞く度に、武道のあり方に疑問に思っておりました。高校の時に弟が入門していた宗教としての武道少林寺拳法に興味を持って本を読んだりしておりましたが、大学から武道を離れてからは積極的に学ぶことはありませんでした。
今回息子がお寺近くの三重多気道院に入門したことをきっかけに、健康増進も兼ねて私も入門し、いろいろと少林寺拳法の活動を学んでおります。
今回は、級対象者の講習会ということで東京仕事のついでに申し込みをしました。内容は実技と教義の教え方が上手く大変有意義に学びましたが、やはり一番の印象は指導者としての人格性と見知らぬ参加拳士の仲間意識の高さです。形のない心を教えることは大変難しい部分がありますが、金剛禅少林寺は形としての拳法を通して心にアプローチしている結果だと思います。
ほとんどの方は武道の少林寺拳法として入門していますが、僧侶・研究者として少林寺拳法の宗教性について体験して学んでいるのは珍しいのではないかと思います(笑)
新宗教としてこの時代に誕生した金剛禅少林寺の少林寺拳法を通して、伝統寺院に学ぶべき姿を学びたいと思います。合掌