本尊

金剛座寺本尊修正2

金剛座寺の本尊は「如意輪観世音菩薩」です。

○「如意輪観世音菩薩」とは、梵語ではCintamanicakra(震多摩尼斫迦羅)といい、如意宝珠と如意珠輪という意味で、如意輪と訳されます。
別名、如意輪菩薩、如意輪蓮華峰王、無障礙観自在といいます。胎蔵曼荼羅の観音院に住する観音様で、密号は持宝金剛、三形は如意宝、紅蓮華、剛宝花。種子はhrih、hrih、trah、trahです。

変化観音・六観音の一で、宝部の衆生に宝財を施して願望を成就させる意味を持ちます。如意珠は福徳を、輪は智徳の意で福智二徳を具足させる名といわれます。日本では奈良時代から造像され、特に思惟半跏像を一般に如意輪観音の名で呼んでいました。

○金剛座寺『如意輪観音像』

縁起によりますと、
藤原不比等公の一子、藤原房前公が亡母「珠藻」の供養にと行基菩薩に一刀三礼の母の似姿の如意輪観音像を彫らせ、母の眠る志度寺に奉納しました。父親の不比等公がその母供養に感銘を受け、伊勢所領にあった金剛座寺に妻の菩提を当てさせこの観音像を行基菩薩に遷座させたと伝わります。

また新縁起書には、平安の大仏師定朝の刻ともされていますが、様式から見ると室町期頃の仏像と考えられます。

合掌

金剛座寺(天台菩提樹会)